エコキュートの選び方

エコキュートを選ぶ前に知っておきたいこと

「ガス給湯器からエコキュートへ交換したほうがよいのだろうか」

「タンク容量や機能が多く、自宅に合う機種が分からない」

エコキュートは、大気中の熱と電気を利用してお湯を作り、貯湯タンクへためて使用する給湯機です。

省エネ性能が高い一方で、タンク容量、設置スペース、給湯圧力、運転時間、電気料金プランなどを確認せずに選ぶと、お湯切れや水圧への不満、想定外の追加工事につながる可能性があります。

このページでは、エコキュートの仕組み、メリットと注意点、タンク容量、給湯タイプ、設置条件、メーカーや交換事業者の比較方法を解説します。

エコキュートとはどのような給湯機か

エコキュートは、ヒートポンプユニットで大気中の熱を取り込み、電気の力で圧縮してお湯を作る家庭用ヒートポンプ給湯機です。

作ったお湯は貯湯ユニットへためておき、キッチン、洗面所、シャワー、浴槽などで必要なときに使用します。

一般的な製品は、電気料金や使用状況に合わせて夜間を中心に沸き上げます。太陽光発電の余剰電力を利用して、昼間を中心に沸き上げる製品もあります。

使用する電気料金プラン、太陽光発電の有無、お湯の使用量によって運転方法や光熱費が変わるため、「深夜に沸かせば必ず安くなる」とは限りません。

エコキュートのメリットと注意点

ガス給湯器や電気温水器からエコキュートへの交換を検討するときは、メリットだけでなく、設置条件や使い方に関する注意点も確認しましょう。

主なメリット

  • 大気中の熱を利用して効率よくお湯を作れる
  • 電気料金プランや使用状況によっては、給湯にかかる光熱費を抑えられる場合がある
  • 太陽光発電の余剰電力を給湯に活用できる製品がある
  • 一定の省エネ性能を満たす機種は、国や自治体の補助制度の対象となる場合がある
  • 機種によっては、断水時にタンク内の水やお湯を生活用水として取り出せる

確認したい注意点

  • ガス給湯器より初期費用が高くなる場合がある
  • 貯湯ユニットとヒートポンプユニットの設置スペースが必要
  • 基礎工事、配管工事、電気工事などが必要になる場合がある
  • 一度に大量のお湯を使うと、タンク内のお湯が不足する可能性がある
  • 給湯圧力やシャワーの使用感は、機種や住宅設備によって異なる
  • ヒートポンプユニットの運転音や振動を考慮して設置場所を決める必要がある

非常用取水の方法や使用条件は機種によって異なります。タンク内の水やお湯は、そのまま飲用せず、メーカーの取扱説明書に従って使用してください。

交換前に現在の設備と設置場所を確認する

エコキュートを選ぶ前に、現在の給湯設備と設置場所を確認しておくと、対応機種や工事費を比較しやすくなります。

  • 現在使用している給湯器の種類、メーカー、型番
  • 家族人数と普段のお湯の使用量
  • 浴槽への自動お湯はり、追い焚き、保温の使用有無
  • シャワーやキッチンを同時に使用する頻度
  • 貯湯ユニットとヒートポンプユニットを置けるスペース
  • 搬入経路、門扉、通路、階段などの幅
  • 設置基礎、排水経路、配管、分電盤の状態
  • 寝室や隣家の窓と設置予定場所との位置関係
  • 契約中の電気料金プランと太陽光発電の有無

現在の給湯器、設置場所、配管、分電盤、搬入経路を撮影しておくと、事業者へ設置可否を確認するときに役立ちます。

エコキュート選びで確認したい7つのポイント

POINT 1:家族人数と使用量に合うタンク容量を選ぶ

タンク容量は、家族人数だけでなく、浴槽へお湯をためる回数、シャワーの使用時間、朝晩のお湯の使用量などを踏まえて選びます。

タンク容量家族人数の一般的な目安確認したいこと
300L前後2〜4人程度少人数世帯向け。製品の選択肢や給湯量を確認します。
370L3〜5人程度一般的な家庭で選ばれやすい容量です。
460L4〜7人程度家族人数やシャワーの使用量が多い家庭で検討されます。
550L前後5〜7人程度大家族やお湯の使用量が多い家庭向けの選択肢です。

家族人数の目安はメーカーや機種によって異なります。また、貯湯タンクの容量は、40℃前後で実際に使えるお湯の量と同じではありません。

来客や入浴回数が多い家庭、シャワーを長く使う家庭は、普段の使用量を事業者へ伝えたうえで容量を比較しましょう。

POINT 2:必要なお風呂機能から給湯タイプを選ぶ

エコキュートは、お風呂に関する機能によって主に次のタイプに分かれます。名称や搭載機能はメーカーによって異なります。

給湯タイプ主な機能向いている家庭
給湯専用蛇口やシャワーへの給湯。浴槽へのお湯はりは手動で行います。自動お湯はりや追い焚きを必要としない家庭
オート・セミオート設定した湯量まで自動でお湯はり。ぬるくなった場合は高温たし湯などで調整します。自動お湯はりを使いたいが、追い焚き機能を重視しない家庭
フルオート自動お湯はり、保温、追い焚き、自動たし湯などに対応します。家族の入浴時間が異なる家庭や、お風呂の操作を自動化したい家庭

配管の自動洗浄、入浴検知、スマートフォン連携などの機能は、メーカーやシリーズによって異なります。必要な機能を整理して比較しましょう。

POINT 3:給湯方式とシャワーの使い方を確認する

多くのエコキュートは、貯湯タンクを保護するために水圧を減圧して給湯しますが、水道直圧給湯に対応する製品もあります。給湯方式や給湯圧力は、メーカー・機種によって異なります。

シャワーの勢いを重視する家庭、2階や3階でお湯を使う住宅、複数箇所で同時にお湯を使う家庭では、高圧給湯や水道直圧給湯に対応する機種を比較しましょう。

ただし、高圧タイプや水道直圧給湯に対応する機種を選べば、必ず希望する水圧になるとは限りません。建物側の給水圧、配管の長さや太さ、水栓の仕様、同時使用の状況も影響します。

POINT 4:設置寸法・搬入経路・基礎を確認する

エコキュートは、貯湯ユニットとヒートポンプユニットの2つを設置します。

確認項目主な内容
設置寸法本体寸法だけでなく、点検やメンテナンスに必要な周囲の空間も確認します。
本体形状標準的な角型のほか、奥行きを抑えた薄型などがあります。
搬入経路門扉、通路、室外機、植栽、階段などが搬入の妨げにならないか確認します。
設置基礎満水時の重量を支えられる基礎と、地震に備えた適切な固定が必要です。
排水タンクやヒートポンプユニットから出る排水を処理できる経路を確認します。
電気設備専用回路、分電盤、配線、契約容量などの確認が必要です。

既存のガス給湯器から交換する場合は、給水・給湯・追い焚き配管の延長や変更、基礎工事、電気工事、ガス配管の閉栓や処理などが必要になる場合があります。

POINT 5:電気料金プランと沸き上げ時間を確認する

エコキュートの光熱費は、機器の省エネ性能だけでなく、契約中の電気料金プラン、沸き上げる時間帯、お湯の使用量によって変わります。

  • 夜間の電気料金単価は現在いくらか
  • 昼間と夜間の料金差はどの程度あるか
  • 太陽光発電の余剰電力を利用できるか
  • 日中の沸き増しが多くなりそうか
  • 機種に表示されている年間給湯保温効率または年間給湯効率はどの程度か

導入前は、事業者が提示する年間光熱費の試算について、使用人数、使用湯量、電気料金単価などの前提条件まで確認しましょう。

POINT 6:設置地域と周辺環境に合う仕様を選ぶ

設置場所の気温や潮風の影響によって、一般地仕様、寒冷地仕様、耐塩害仕様などを検討します。

仕様確認したい内容
一般地仕様設置地域の最低気温やメーカーの使用条件に適合するか確認します。
寒冷地仕様寒冷地や凍結リスクの高い地域向け。対応する最低外気温や凍結防止対策を確認します。
耐塩害仕様潮風の影響を受ける設置場所で検討します。メーカーの設置基準や海岸からの距離、風向きなどを確認します。

千葉県内でも、同じ市内で海からの距離、建物の向き、周囲の遮蔽物などが異なります。市町村名だけで仕様を決めず、実際の設置環境を確認した事業者へ適合機種をご確認ください。

耐塩害仕様や耐重塩害仕様であっても、腐食を完全に防げるものではありません。設置後の点検や手入れについても、メーカーの案内をご確認ください。

POINT 7:メーカーだけでなく工事内容と保証を比較する

エコキュートは、パナソニック、三菱電機、ダイキン、コロナ、日立などのメーカーが展開しています。

メーカー名だけで決めるのではなく、現在の設置条件に対応する機種の中から、次の項目を比較しましょう。

  • タンク容量と本体寸法
  • 給湯方式、給湯圧力、対応階数
  • 年間給湯保温効率または年間給湯効率
  • お湯はり、追い焚き、配管洗浄などのお風呂機能
  • スマートフォンや太陽光発電との連携機能
  • 一般地・寒冷地・耐塩害仕様への対応
  • メーカーの商品保証、販売事業者の延長商品保証、施工事業者の工事保証

交換事業者については、見積もり総額、追加費用の条件、施工体制、補助制度の申請手続きへの対応、工事保証、工事後の問い合わせ先まで確認することが大切です。

ガス給湯器とエコキュートの違い

ガス給湯器とエコキュートのどちらが適しているかは、初期費用だけでは判断できません。住宅条件やお湯の使い方を含めて比較しましょう。

比較項目ガス給湯器エコキュート
お湯の作り方使用するときにガスでお湯を沸かす大気熱と電気でお湯を作り、タンクへためる
設置スペース比較的コンパクト貯湯ユニットとヒートポンプユニットのスペースが必要
初期費用比較的抑えやすい傾向本体・基礎・配管・電気工事などで高くなる場合がある
光熱費ガス料金、給湯量、機器効率によって変わる電気料金プラン、沸き上げ時間、給湯量、機器効率によって変わる
お湯切れ燃料供給が続く限り、基本的にタンクのお湯切れはないタンク内のお湯を使い切ると、沸き増しに時間が必要
給湯圧力水道直圧式が中心給湯方式や給湯圧力が機種によって異なる
向いている住宅設置スペースが限られる住宅、瞬間給湯を重視する家庭設置スペースがあり、電気料金や太陽光発電を活用しやすい住宅

ガス給湯器からエコキュートへ交換するときは、ガス契約を解約できるかも確認しましょう。ガスコンロ、床暖房、浴室暖房などで引き続きガスを使用する場合は、給湯設備を電気へ変更してもガスの基本料金が残ります。

エコキュートの見積もりで比較したい項目

本体価格だけではなく、設置に必要な工事と保証を含む総額で比較することが重要です。

  • エコキュート本体とリモコンの型番
  • 既存給湯器の撤去・処分費
  • 貯湯ユニットの基礎工事
  • 給水・給湯・追い焚き配管工事
  • 専用回路、ブレーカー、配線などの電気工事
  • ガス給湯器から交換する場合のガス配管の閉栓・処理費
  • 搬入やクレーン作業にかかる費用
  • 脚部カバーや配管カバーなどの部材費
  • 追加費用が発生する条件
  • メーカーの商品保証、延長商品保証、工事保証の提供元・期間・対象範囲
  • 補助制度の対象機種か、事業者が申請手続きに対応しているか

「補助金対応」「工事費込み」「10年保証」といった表示だけで判断せず、対象となる機種、見積もりに含まれる工事、保証の提供元と対象範囲、申請条件まで確認しましょう。

見積もり前に事業者へ伝えたい情報

複数の事業者へ同じ情報を伝えると、対応機種、設置可否、見積もり総額を比較しやすくなります。

  • 現在使用している給湯器の種類、メーカー、型番
  • 家族人数と普段のお湯の使用量
  • 希望するタンク容量やお風呂機能
  • 現在の給湯器と設置場所の写真
  • 搬入経路、門扉、通路、階段などの写真
  • 分電盤と電気メーター周辺の写真
  • 太陽光発電や蓄電池の使用有無
  • 郵便番号と希望する工事時期

マンションや集合住宅の場合は、管理規約、設置場所、搬入経路、共用部の使用、工事申請の要否も確認しましょう。

まとめ:光熱費だけでなく設置条件と使い方から選ぶ

エコキュートを選ぶときは、タンク容量、給湯タイプ、給湯方式、給湯圧力、設置寸法、電気料金プラン、地域仕様、メーカー、施工体制を総合的に比較しましょう。

長期的な光熱費だけでなく、初期費用、設置工事、お湯切れの可能性、運転音、工事後の保証まで確認することが大切です。

同じ容量や機能のエコキュートでも、住宅や設置環境によって設置できる機種は異なります。最終的な機種選定と設置可否は、現地の条件を確認した事業者へご確認ください。

お住まいの地域で対応できる事業者を比較する

地域別の記事では、給湯器交換に対応する事業者の特徴、費用相場、各事業者が案内する保証内容、施工体制、対応条件などを比較しています。

エコキュートへの対応状況や設置可否は事業者ごとに異なるため、各事業者の公式サイトでご確認ください。

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